スキーツアーが開催されたのは昭和の戦後から復興した後になりますが、すでにその歴史は60年ほどがあります。本書き的なスキーツアーが開催されるようになったのは、高速道路が少しずつ整備されていった1980年代です。当時は鉄道会社も参入しており、バス会社と鉄道会社の2つで争われていました。この当時はまだ鉄道会社にアドバンテージがありました。
なぜなら、到着時間が早いことや、時刻が正確だからです。また、雪道を列車が走る場合にも極端に事故が少ないというのも理由の一つになります。ところが1990年代になると、鉄道は押されてきます。1980年代後半から1990年代にかけて多くの高速道路ができました。
これにより、スキーツアーへ行く場合もバスを利用した方が時間短縮をすることができる場面が多くなったのです。バスは高速道路を利用することで、目的地まで乗り換えなしでしかも短時間で到着することが可能になります。鉄道の場合は、駅の前にスキー場がある例は少なく、多くの場合駅からバスで乗り換えて目的地に行くしかありませんでした。このような状況が長く続いたことから、鉄道利用のスキー客も減少していき、とうとう鉄道自体も専用の列車をなくして行くことになりました。
その頃、バス会社では価格競争が続いており、各会社とも、かなり安い値段で利用することができるようになっています。ただし、安い会社のバスは快適性が犠牲にされていると言う点があります。